x86版BeOS R4.5.xで、ATA(ATAPI) PCカードを使用可能にします。 以下のようなことが可能になります。
以下、各用途ごとに説明します。
ここでは、本ドライバを使って、PCカード接続のATAPI CD-ROMドライブからノートPCにBeOSをインストールする方法を説明します。
FDDとPCカード(CD-ROM)を同時に使えないマシン(Librettoなど)は対象外です。
ノートPCのBIOS設定で、CardBusか否かの切り替えがある場合は、 非CardBusにしておきます(R4でPCカードイネーブラーが動いていた場合は、 そのときと同じ設定でOKです)。 また、CD-ROMブート可能な機種では、CD-ROMブートしないよう設定します。
CD-ROMドライブの電源はなるべくACアダプタ(または電池)を使用してください。 本体からの給電では正常に動作しないおそれがあります。 また、I-OデータのCBIDE/IIのように、 CardBusモードと16ビットモードの切り替えができるものは、 16ビットモードにしてください。
あらかじめPartitionMagicなどでBFSパーティションを作成しておくことをお勧めします。
本ドライバを組み込んだインストールフロッピーを作成します。 ブランクフロッピーを用意してください。 作成する環境により手順が異なります。
アーカイブを展開したディレクトリにCDの/BeOS_Tools/zbeosをコピーするか、 オリジナルのインストールフロッピーを用意して
$ sh mkflp.sh
アーカイブを展開したディレクトリにCDの/zbeosをコピーするか、 オリジナルのインストールフロッピーを用意して
$ sh mkflp.sh
アーカイブを展開したディレクトリにCDの\zbeosをコピーし、
C>MKFLP
以上で、ドライバを組み込んだインストールフロッピーができます。
ノートPCにCD-ROMドライブを接続し(2スロットのマシンではどちらでもかまいません)、 R4.5.xのCD-ROMを入れ、上記で作成したインストールフロッピーを使って起動します。 ドライブによっては、splash screenで数十秒程度待たされることがありますので (特にモニタのアイコンから虫眼鏡のアイコンの間)、気長に待ってください。 Installerが起動すれば、インストールすることができます。
同様の手順で、BeOS R4.5デモCDを起動することもできます。
ここでは、本ドライバを使って、ATA/ATAPI PCカードを使用する方法を説明します。 ATAフラッシュカード・ATAPI CD-ROMドライブ・デジタルカメラの各種メモリカードなどが使用可能になります。
本ドライバは、独自にPCカードの制御を行っているため、 BeOS R4.5.x標準のPCカードサポートとは共存(併用)できません。 また、カードの抜き挿しもできず、使いたいカードを挿した状態でBeOSを起動する必要があります。
本体やカードの設定については、「BeOSのインストール」の項を参照してください。
デスクトップ機でPCカードアダプタを使用の場合、基本的にISA接続のものに限ります。 パラレルポート・SCSI・USB接続のものや、PCI接続のみのもの、 カードの種類が限定されているものは使えません。 また、同時に使いたいカードの枚数と同じ数のIRQを "legacy ISA"として予約しておいてください。
コンパクトフラッシュ・スマートメディア・メモリースティック・マイクロドライブなどは、 PCカードアダプタを使うことによりATA PCカードと等価になるので、使用できます (マルチメディアカードはなぜか認識されません。Clik!は未確認)。 また、ATAPI PCカード接続のzipドライブやSuperDisk(LS-120)ドライブも使える可能性があります。 リニアフラッシュカード・ミニチュアカードは使用できません。
アーカイブを展開し、シェルでそのディレクトリに移動し、以下のように実行します。
$ make install
ドライバ(atacard)が~/config/add-ons/kernel/busses/ide/にコピーされます。 さらに、/system/boot/Bootscriptを編集して、 BeOS標準のPCカードサポート(cardmgr)が起動しないようにしてください。
カードを挿してBeOSを再起動します。 正常に動作すれば、ATAカードを通常のHDDやCD-ROMと同様にマウントしてアクセスできるようになります。 ただし、カードを抜くと再度挿しても認識されません。 また、起動時に挿していなかったカードや、 ATA/ATAPI以外のカード(モデムカード・Ethernetカードなど)は一切認識されません。
BeOS標準のPCカードサポートを使用可能にするには、シェルで
$ cardmgr &
とするか、Bootscriptを元に戻して再起動します。 本ドライバは入れたままでもかまいませんが、ATA/ATAPIカードは使えなくなります。
本ドライバをアンインストールするには、アーカイブを展開したディレクトリで、 以下のようにします。
$ make uninstall
Bootscriptを元に戻すのを忘れないでください。
うまく動作しない場合は、内蔵デバイス(シリアルポート・パラレルポート・ 赤外線ポート・内蔵モデム・サウンドなど)を殺して、 IRQを空けてから再度試してみてください。 本ドライバは、空いているIRQのうちもっとも番号の若いものを使いますが、 機種によっては特定のIRQでは動作しないことがあります。 IRQを調整して、動作するIRQを見つけてください。 参考までに、空けられる可能性のあるIRQと、その一般的な用途を示します。
IRQ3 シリアルポート・内蔵モデム・赤外線ポートなど IRQ4 同上 IRQ5 サウンド(Sound Blaster互換) IRQ7 パラレルポート IRQ9 フリー(USBコントローラ・CardBusコントローラ・内蔵Ethernetポートなど) IRQ10 同上 IRQ11 同上 IRQ12 PS/2マウス互換ポインティングデバイス IRQ15 (セカンダリIDE)
IRQを調整しても動かない場合は、以下の手順に従って報告してください。
ノートPCで何らかのOSを起動し、通常の状態で空いているIRQを確認します。 また、可能であれば、そのATAカードが動作するOS(Windowsなど)でカードを挿して、 カードが使用するリソース(I/Oアドレス、IRQ)を調べます。
ATAカードを挿し、以下のようにしてカードの情報を収集します。 同じカードに対してはどのマシンで何度行っても同じ結果になりますので、 一度行えば十分です。
$ dump_cis -v > atacard.cis
% /stand/pccardc dumpcis > atacard.cis
vmmapper.exeと dtpl.exeを用意します。
config.sysの終わりの方に以下の行を追加します。
devicehigh=c:\windows\system\csmapper.sys
autoexec.batの終わりの方に以下の行を追加します。
lh vmmapper.exe
再起動後
C:\>dtpl -t > atacard.cis
以下の内容をお知らせください。
例:
さらに、以下の手順でドライバの動作を追跡します。
Welcome to Kernel Debugging Land: Running on cpu 0, iframe @ 0xfc00b430 kdebug>
メモしたら、c [Enter]と入力して継続します。 また止まったら、同様に繰り返します。
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ddは拙作のフリーソフトウェアです。詳細に関してはお問い合わせください。
Be The Edgeの掲示板で本ドライバのアイディアやさまざまな提案をいただいた牧野様、 αテスト報告をしてくださった皆様に感謝します。
初回リリース。αテスタ限定公開。PCGA-CD5とCBIDE IIでのみ動作。
初期化を改善し、多くのカードで動作するようになる。
本体の使用リソースの調査とカードのCISの解析を自力で行うようにし、 config.hの編集とコンパイルがほぼ不要になる。 一般公開。
ドライバ自体には変更なし。 Windows NTでもインストールフロッピーを作成できるよう、 MKFLP.BATとドキュメントを更新した。 Windowsでインストールフロッピーの作成に必要となるツールを同梱した。 ハードウェア互換性リストを添付。
/system下でなく~/config下にドライバをインストールするよう変更。 Windows NTサポートの改善。